(5)　侏（疋・引）田豊五郎ひきたぶんごろう新當流起請文ー雲林院弥うじい四郎入道宛ー

　

　

侏（疋・引）疋田豊五郎ひえだぶんごろう新當流起請文ー雲林院うじい>弥四郎入道宛ー
　
    侏（疋・引）疋田豊五郎ひえだぶんごろうは 、新陰（影）流の開祖・上泉信綱の甥とも弟子とも云われ、永禄六年頃（１５６３）
　　上野国（群馬県）から上洛し、元亀二年（１５７１）七月上野国下向まで約８〜９年間京都に本拠を据え
    新陰流の公布活動をした上泉信綱に随身したと云われています。上泉信綱の検証史料として重複する
　  「関東幕注文」には厩橋衆に「引田伊勢守」の名が見られる所から引田伊勢守の一族と思われます。
　  太田亮翁の「姓氏家系大辞典」では室町幕臣、永享・文安年中に見える番衆の疋田、永禄年中に見える
　 「御末之男の疋田」は「伊勢の疋田」であると指摘されています。侏田豊五郎が伊勢国の豪族雲林院うじい城主
　  雲林院うじい弥四郎光秀より「塚原卜傳直伝新當流兵法」を習得出来たのは、「流浪の武者修行中」
　  等、従来の小説や物語ではなく、室町幕府の幕閣から雲林院うじい弥四郎光秀に然るべき人脈を通じて
　  依頼し、雲林院うじい氏が承諾の上、豊五郎は雲林院うじい城に招かれ習得し得る期間中逗留させて貰って
　  始めて成し得る事です。
　  起請文の宛人、雲林院うじい弥四郎入道の「雲林院うじい氏」は「宮本武蔵最後の決闘」或いは熊本藩主細
　  川忠利公御前での秘密の試合」で熊本藩剣術指南役雲林院うじい弥四郎光成の名で有名です。
    雲林院うじい弥四郎光成の御子孫が４５０年間門外不出の「天文二十三年二月吉日塚原卜傳新當流兵法免
　  許皆伝」を２００９年２月、熊本県城南町の展示会に出展して頂いた為、雲林院うじい弥四郎光成の親、
　  光秀が「伝説上の人・塚原卜傳」その人から「免許皆伝書」を伝授されていた歴史的事実が判明致しました。
　  更に、上泉信綱の永禄九年五月吉日新影流影目録で「上古流有り　中古念流新當流　亦また陰流有り。
　  其の外は計るにたえず。予は諸流の奥源を究め陰流において別に奇妙を抽出して新陰流と号す。」と言挙げし
    ていますが「新當流」に限って考察しますと、上泉信綱が「奥源を究めた新當流」は鹿島新當流（別名：鹿島
　　　
    の太刀・一の太刀等）ではなく香取・飯篠氏の新當流（別名：天真正伝香取神道流・神道流等）である事も
    判明致します。永禄九年二月晦日侏田豊五郎新當流兵法起請文の宛名「雲林院うじい弥四郎入道」の名は武道
    史上初見です。
　

伊勢国（三重県）武芸発祥地　地図
　

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